クリスピー・クリーム・ドーナツって本当においしいの?

あなたは、クリスピー・クリーム・ドーナツというものをご存じでしょうか。

ついに日本一のミトコンドリアが、そのドーナツ店に向かう!

そこで彼が見たモノは!?

マヤ「ユウ先生? クリスピー・クリーム・ドーナツって知ってる?

ユウ「あぁ、はい。少し前に新宿にできた、ドーナツチェーンですよね」

マヤ「………」

ユウ「………」

マヤ「食べたい

いうと思いました。

なんか僕、微生物の本能で感じました。

ユウ「せ、先生、あれ、すごい行列ができてるんですよ!?」

マヤ「………」

ユウ「1時間、2時間待ちは、当たり前なんですよ!?」

マヤ「………」

ユウ「それに僕、一度出版社さんのパーティで食べたことあるんですけど」

マヤ「………」

ユウ「ミスタードーナツの、ポン・デ・リングと似たような感じですよ!?」

マヤ「………」

ユウ「絶対に先生、マスコミの情報に踊らされてますよ!?」

マヤ「………」

ユウ「………」

マヤ「………」

ユウ「………」

マヤ「終わった?」

はい、終わりました。

マヤ「じゃあ、買ってきて。」

はい。買ってきます。

 

すべてにおいて抵抗に何の意味もない。

あらためてそのことを悟りつつ、僕は生きています。

 

そして。

次の日の朝。

僕はとにかく早起きして新宿に出発しました。

「朝に行けば、すごく空いていて、並ばずに買える」

アスカ先生の情報を信じて、とにかく早起きです。

すると!

くりくり1

すでにすごい行列なんですけど。

軽く目眩を覚えました。

ていうか、こんな人たちが、もう、ぶわぁぁぁぁぁぁっているの!

マスコミに踊らされた人たちが、もうすっごいの!

ちなみに自分は踊らされた人にさらに踊らされている人で、もっと始末に悪い人間です。

なんていうか、切なさで心がちぎれそうです。

さらにあの写真の右奧にも、ずっとずっとたくさんの人が並んでいました。

列には「1時間待ち」と描いてありました。

ここはどこのディズニーランドのアトラクションでしょうか。

でも、泣いていても始まりません。

僕はとにかく並ぶことにしました。

10分。

20分。

30分。

切ない時間が過ぎていきます。

40分。

50分。

そんなときです。

店員さんが、こう言いました。

「単品ではなく、セットでお買い求めの方は、並ばずにすぐにお買い上げできまーす!」

どう考えても、セットなんて買ってもしょうがない。

せいぜいマヤ先生が食べるのは2つか3つです。

くわえて今回のお買い物は考えるまでもなく自腹っぽいので、セットで買うだけ意味がありません。

そう思いはしたのですが、もうこれ以上炎天下で待つのはムリです。

泣く泣く、セットで購入することにしました。

そして、その日の昼。

僕はマヤ先生の待つ医局に、ドーナツセットを持っていきました。

マヤ「わぁっ! 開けて開けて!」

ユウ「はい…」

くりくり2

まずこちらが、ノーマルなセット。

くりくり3

そしてこちらが、バリエーションのあるセット。

写真に撮ろうとした瞬間、医局の他のドクターがかじっていたので、微妙にかじりかけです。

というか、ですよ!?

このドーナツ、このノーマルなもの、通称「オリジナル・グレーズド」というのが基本なようです。

くりくり5

よっぽどこれに自信があるのでしょうか。

そして、アレンジしたドーナツって。

くりくり4

ノーマルなものに、ほとんどこういう

コーディネートしているだけなんです。

 

こんなカラフルアレンジ、ひっさしぶりに見ました。

なんていうか、すごくなつかしい。

他のも、ノーマルのものにチョコを塗ったとか。

ノーマルなものに、砂糖をまぶしたとか。

とにかく分かりやすいアレンジばかりなんです。

でもツッこむまもなく、みんなが食べ始めました。

マヤ「………」

リオ「………」

アスカ「………」

マヤ先生はじめ、みんな、無言で食べています。

呼んでないのに、みんなが当然のごとく食べているところがポイントです。

しばらくのあと、マヤ先生は、静かに言いました。

マヤ「あのね

ユウ「はい

マヤ「ポン・デ・リングで十分だった。」

 

だから僕、言いましたよね。

そして、心から切なくなりながら、とにかく多量にドーナツがあまったので、

ナースさんたちにお裾分けなどしました。

とても喜ばれました。

ナース「わぁっ! ありがとうございます?!」

ユウ「い、いえいえ」

そのとき、です。

ナース「これって、電子レンジで10秒あっためると、ビックリするほどトロけておいしいんですよねー!

ユウ「………」

何ですと?

 

そういえば。

僕がパーティで食べたときも、そして今回も。

冷えたものを、普通に食べただけです。

ユウ「そ、そうなんですか?」

ナース「あれ? 知らなかったんですか?」

ユウ「は、はい…」

ナース「食べてみます?」

ユウ「はい…」

するとナースさんは、ナースステーションの電子レンジで少しあたためると、一口だけ僕にくれました。

ユウ「………」

ナース「どうですか?」

ユウ「ほんとだー!!」

確かに、トロけます。

ビックリするほど味わいが変化しました。
天使のフライパンだったら、今すぐ全裸にならなければいけないレベルでした。

ユウ「びっくりですよ!」

直後、僕は医局で、そのことを話していました。

マヤ「ふうん…」

ユウ「………」

マヤ「………」

この瞬間、僕は「マズイ」と思いました。

マヤ「もう一度、お願いね。」

僕の学習能力のなさは、芸術の域に達すると思います。

みなさま本当にありがとうございました。

ちなみに前回一部でご好評いただいた、おじいさんの先生。

彼もそのドーナツを召し上がりました。

そのときのご感想。

あまーい!

「あまーい!」

 

とにかく味うんぬんより、

甘いかどうかだけが評価ポイントだったようです。

 

一瞬、スピードワゴンかと思いました。

みなさま今後ともよろしくお願いいたします。