外国人なの?日本人なの?
あなたは、外国人か日本人か分からない人がいたら、どんな行動をしますか?
今夜はその行動を前にして、ある女医さんが起こした恐るべき行動をお送りいたします。
マヤ「突然だけど、聞いてくれる? 」
ユウ「は?」
先生のこの言葉は、クエスチョンではありません。強制です。
ユウ「なんでしょうか?」
マヤ「私、いつも朝に公園を歩いてきてるんだけどね」
ユウ「はい」
マヤ「そこに、毎朝ジョギングをしてる中年男性がいるのよ」
ユウ「はい」
マヤ「その人、すごく色が黒くて。同時に、サングラスかけてるの」
ユウ「はい」
マヤ「それで、黒人なのかな? と思って見てるんだけど、なんか日に焼けた日本人ぽくもあるの」
ユウ「ほほう」
マヤ「どっちだと思う? 」
えっと。
今までの情報から、どうやって分かれというのか。
僕は心から、魂の雄叫びを上げます。
ユウ「………」
マヤ「早く」
ユウ「………に、日本の公園なんですよね?」
マヤ「私が毎朝、ニューヨークのセントラルパークやイギリスのハイドパークを歩いて通ってると思うの?」
先生の背後から威圧感が漂ってきます。
質問一つたりとも気を抜けません。
ユウ「…だ、だったら、日本人じゃないんですか?」
マヤ「でもなんか、動きが外国人ぽいの。日本人にはないキレがあるのよ。腰のフリとか」
その人がどんな走り方をしているのか、非常に気になります。
ユウ「じゃあ、黒人さんなんじゃないですか?」
すると、先生は言いました。
マヤ「でもね、その人、イヤホンしてるの。音楽聴きながら走ってるのね」
ユウ「はい」
マヤ「その音がものすごく大きくてね」
ユウ「はい」
マヤ「耳を澄ましたら、『箱根八里の半次郎』だったの」
どんだけマニアな選曲ですか。
というか、先生はなぜそれを知っているのか。
マヤ「となると、日本人にも思えるのよ」
外国人が聞いてもいいじゃないですか。
僕は心からそう思いつつも、そう言うことはできません。
ユウ「…どっちでしょうねぇ」
マヤ「だから、聞いてるんだけど」
なぜ、僕に聞くんですか。
ユウ「思うに、本人に聞くとか…」
マヤ「うん」
ユウ「まぁ、それができたら、苦労しないで…」
マヤ「だから、聞いたの」
えー!
ユウ「………なんて?」
マヤ「聞きたい?」
ユウ「はい」
マヤ「………」
ユウ「………」
マヤ「メイ・アイ・ヘルプ・ユー? 」
明らかに質問を間違えてると思います。
ていうか、確実に助けを必要としているのはこっちだと思います。
(あらゆる意味で)
マヤ「………」
ユウ「………」
マヤ「そしたらね」
ユウ「そしたら?」
マヤ「相手は驚いて、『ノ、ノー…!』って去ってった」
当然の反応ですよね。
マヤ「………」
ユウ「………」
マヤ「結局、どっちか分からなかった」
120%、質問のせいです。
マヤ「………」
ユウ「………」
マヤ「で、どっちだと思う? 」
自信を持って、分かりません。
マヤ「明日は単刀直入に、聞いてみようかしら」
ユウ「………なんて?」
マヤ「………」
ユウ「………」
マヤ「日本人、デスカー!? 」
だから、どっちにたいしても不自然な言語はやめてください。
日本の国際化はまだまだ遠いのではないかと思いつつも、みなさまここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
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