シメキリまで、仕事をするな。 遅延と自信の関係
あなたは小学生の夏休み、どっちに近い子供でしたか?
A「とにかく宿題を後回しにして、まずは遊んでしまう子供」
B「とにかくまずは宿題を先に片付けて、そのあとに遊ぶ子供」
これで、あなたが「自信に満ちあふれているか」が分かりました。
こんばんは。ゆうきゆうです。
最近、花粉がひどいです。
本気で、スギ全部伐採すればいいのに、と思います。
スギの森林・資材としての価値は重要かもしれませんが、花粉症の治療にかか
る国民全体の医療費、また花粉による国民の活動性の低下を考えたら、絶対に
後者の方が高いと思うのです。
いや「でも花粉症で死なないじゃん」と思う人、甘いです!
たとえば花粉症で、一人の国民が、一日5分間(本当はもっとずっと多いです
が)仕事にならなかったとします。
すると花粉シーズンが、二ヶ月こと60日続いたとして、
5×60=300分。
すなわち総計、5時間がムダになります。
ここで現在、人口の15%くらいが花粉症とのことで、だいたい1500万人。
すると全体で、
1500万×5時間=7500万時間。
さらに7500万時間=だいたい300万日=だいたい1万年です。
人間の寿命が70年と考えると、それで割って、だいたい140人。
すなわち1年につき140人分の一生がムダになるのと同じ!
言ってみれば1年で140人が、花粉によって殺されるのと同じなのです!
ギャア! ひどい! 殺人者!
「日本のスギ全部伐採党」とかできたら、絶対に投票します。
何で誰も作らないんでしょうか。
もしそれがダメなら、日本のスギを全部一カ所でまとめて、カバーで囲えばい
いのに。
もうどこかの県とか一つあげるから。そこをスギの王国にしていいから。
そこから出てこないで。
それすらダメなら、すべてのスギを、完全一夫一妻制にしたいです。
雄花と雌花を、ひとつひとつ管とかでダイレクト直結。
花粉はその管の中しか通れません。
とにかくパートナーは世話してあげるから、もう精子を世の中にまき散らすな、と。
………。
こんなことを考える自分は、たぶん脳内まで花粉に侵されてるんだと思います。
とりあえずクラリチンなど飲みつつも、今夜もセクシー心理学の世界をお届けいたします。
◆ 延ばすことの、重要な意味。
さて、あなたはどうしてもやらなければいけない仕事を「先延ばしにする」人でしょうか。
それとも「早くからやろうとする」人でしょうか。
実はアメリカの心理学者であるチョイ・チューらは、200人以上の大学生を対象にして、行動パターンと性格の関係について調査を行いました。
その結果。
自信に満ちあふれて、勉強への集中力が高く、時間を有効に使っている人ほど、
「Active procrastination を使うことが多い」
ということが分かったのです。
「Active procrastination」とは、日本語にするなら、
「積極的先送り」もしくは「積極的遅延」。
すなわち、
「ある仕事や勉強を、ギリギリまでやらずに先送りすることによって、シメキリ直前になって自分を追い込んで完成させる」
こと。
たとえばテストで言うなら、テスト直前まで本気を出さず、前日に必死に勉強することを言います。
これを積極的に行っている人ほど、実は「自信が高く」「時間を有効に使っていることが多い」というわけです。
これ、個人的に面白いと思ったのですが、いかがでしょうか。
普通に考えたら、逆に思えるかもしれません。
童話「アリとキリギリス」は、夏のうちからコツコツと働き、食物を蓄えるアリを賛美する話です。
何もしてこなかったキリギリスは、冬に凍えます。
しかし実際「追い込まれるほど力を発揮する人」というのは存在します。
分かりやすく表にするなら、こんな感じです。
★がシメキリのある仕事、◎が関係のない仕事や遊びとします。
<先にやろうとする人>
1日目 ★★
2日目 ★
3日目 ★
4日目 ★
5日目 ◎
シメキリ
<積極的に遅延する人>
1日目 ◎
2日目 ◎
3日目 ◎
4日目 ★★
5日目 ★★★
シメキリ
結局、「前もってやっておこう」と思う人は、「シメキリはまだ先だ」という安心感から、ダラダラ過ごして、時間いっぱいかかりきりになり、他に何もできない人もいるはず。
逆に、ラスト近くに集中してやった人は、そこまでに遊んだり、別の好きなことをできていたわけで、総じて考えると「トク」です。
すなわち積極的に遅延する人は、あとで濃密に集中することになります。
だからこそ時間を有効に使えていて、同時にその充実感から、自信が湧いてくる…と考えられるわけです。
◆ シメキリに追われるから、天才になる…?
実際にマンガ家や作家さんなどで、
「シメキリにギリギリになってしまって、編集者さんに催促される」
というエピソードがよくあります。
かの藤子不二雄先生、手塚治虫先生もそういうタイプのマンガ家だったそうです。
そう考えると、
「天才ほどシメキリに余裕をもって仕事を終わらせる」
のではなく、
「天才ほどシメキリにギリギリになり、だからこそ天才を維持できる」
と考えられるかもしれません。
シメキリ前だからこそ、すべてが濃密になる。
逆にそれまでに好きなことをして、結果的にさまざまな体験から、ネタが生まれることもある…。
これを繰り返すからこそ、続けられるのかもしれません。
◆ あなたはどっちのタイプ?
ですので、
A「とにかく宿題を後回しにして、まずは遊んでしまう子供」
という人の方が、
B「とにかくまずは宿題を先に片付けて、そのあとに遊ぶ子供」
という人より、もしかして今、色々なことをこなすことができて、自信が強い人間の可能性があります。
とはいえ重要なのは「積極的」な遅延です。
「ダラダラしていて、結局シメキリ前に泣いてる」
のは、どちらかというと消極的な遅延です。
「ギリギリでやればいいんだ! それまでは好きなことをするんだ!」
という前向きな発想こそが重要です。
そのあたりを混同しないようにしましょう。
ただ言うまでもありませんが、この発想は周囲の人には言わない方がいいでしょう。
特にあなたが学生で、宿題をやらないでいて、お母さんに怒られたとして。
「違うから! これ、積極的遅延だから!」
とか言ったら、間違いなく殴られると思います。気をつけましょう。
-----------------------------------
◆ 今回のまとめ。
-----------------------------------
○ シメキリまで積極的に「先延ばし」にする人ほど、実は時間を有効に使い、「自信が高い」ことが多い。
○ 先延ばしできる義務は先延ばしして、今は積極的に好きなことをしてしまうことが大切。
「シメキリギリギリになることを正当化」するわけではありません。
ただ伝えたいのは、「仕事がうまい人、時間に余裕がある人は、意外にシメキ
リにギリギリになっている傾向がある」ということだけです。
くれぐれも「やってみたらシメキリに間に合わなかった! どうしてくれる!」
という結果には責任持てません。すみません。
◆ さいごに。
終わりに、かの大作家バーナード・ショウの、こんな言葉をご紹介します。
「年を取ったから遊ばなくなるのではない。
遊ばなくなるから年を取るのだ。」
シメキリなんて、ギリギリになってから頑張ればいいんです。
常にそのことを意識して、やりたいことをガマンする必要なんかありません。
それを繰り返していたら、一生何もできないまま、終わってしまいます。
大切なのは、今やりたいことを、今やってしまうこと。
それだけで、最後に後悔することは、なくなるはずですよ。
(完)
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません