自信が欲しければ下を見ろ。 下方比較
あなたは「上方比較」「下方比較」という言葉をご存じでしょうか。
自分より上の人と比較するのが、上方比較。
「あの人、スゴイなぁ…。自分もああなりたいなぁ…」
「あいつ、いいなぁ…。うらやましい…」というような思考のことです。
逆に自分より下の人と比較するのが、下方比較。
「あいつ、最低…。自分ってまだマシだわ…」
「あんな人間もいるんだなぁ…。バカみたい…」という思考を言います。
このうち下方比較って、なんだかあまりカッコよくないように思えませんでしょうか。
でもこれ、人間にとって、かなり重要な思考なのです。
今夜は、「落ち込んだ気持ちを回復する方法」です。
あらためましてこんばんは。ゆうきゆうです。
というわけで、今夜もメルマガ「セクシー心理学」から、こんな話をお届けします。
◆ 上ですか? 下ですか?
さて、今お話しした「下方比較」。
実は人間は無意識に「他人より上でいたい」という本能があります。
そして自信を失ったときほど、それを回復させようとするため、必死に「自分より下」を見つけたいと思うものなのです。
◆ 上の人ほど、下になると…?
たとえばネットを見ると、色々なブログで「炎上」が起こっています。
「あんなに影響力のある人間が、こんな失言をした!」
「あの人、頭がいいと思っていたのに、こんなバカなことを言うなんて!」
これは掲示板でも同じで、何らかの事件や人物にたいして、恐ろしい勢いで悪口が書き込まれます。
これもすべて、「下方比較」。
「あいつは最悪だ…」
「ダメな人間だ…」
と責めることで、相対的に「自分はまだマシなんだ…」と思えるわけです。
また、週刊誌などのゴシップも同じ。
「万年係長の○○さんが飲酒運転で事故」
というニュースを、買ってまで読もうと思う人はいませんが、
「あの大物芸能人の○○が飲酒運転で事故」
とかだと、飛ぶように売れるはず。
「自分より上」と思っていた人間が「自分より下」な面があった。
人間は落差に強く反応しますので、何よりも強い下方比較になるわけです。
ちなみにそう考えると、急激な大成功と、壮絶な逮捕劇を迎えた、あの某IT企業の元社長さんは、すさまじく日本中に快楽を与えた人間なのではないかと思います。
(株で損させられた人をのぞいて)
◆ なつかしい話ですが。
昔、「世界が100人の村だったら」という、ネットのチェーンメールがもとになった書籍のがありました。
「世界中で、家があるのは○人」
「パソコンを持っているのは○人」
「生活が保たれているのは○人」
というように、「今の我々がどんだけレアか」というのを教えてくれる話でした。
あれはもう、壮大な下方比較です。
世界の貧しい国よりずっとマシ、と知って、結局は「安心」するわけです。
だからこそ、ベストセラーになったわけです。
◆ 差別する人を、差別。
人間は無意識に「順位」を気にする生き物です。
そのため根本的に「下方比較をしたい」という欲求があります。
特に普段の生活に自信を失ってしまった場合に、
「下には下がいる」
と、無意識に下を見つけようとする気持ちが働くわけです。
世の中で、いつまでも「差別」がなくならないのは、それが原因なのかもしれません。
もちろん、差別は反対です。
ただネットなどで、
「差別してるヤツ、最低! バカじゃないの!?」
「弱い人間を攻撃するなんて、人間じゃない! 死んじゃえ!」
というような書き込みを見るたびに、結局は形こそ違っても、
「他人を下に見る人間を、下に見る」
という点では同じで、人間の下方比較の本能は消せないんだなぁ、と思います。
◆ 下方比較は、心の中で。
そして。
実は心理学的には、
『落ち込んだときは、積極的に下方比較をすることで、気持ちが回復しやすくなる』
と言われています。
ですので、あなたがどうしても疲れてしまって、自信を失ってしまったとき。
そんな場合は、とにかく心の中で、積極的に下方比較をすることです。
「あの人よりはいいかなぁ…」
「あいつよりはマシだ…」
そういう人を3人見つけるだけでも、気持ちは不思議に楽になります。
また、たとえばムカつく上司に怒られた場合も、
「まぁ、こんなオッサンになって、こんな立場に甘んじてるんだもんな…。かわいそうといえば、かわいそうだよな…」
というように思えば、少しだけ気持ちが安らぎませんでしょうか。
それは決して悪いことではありません。
人間として当然の思考です。
特に、あなたの自信を回復させ、それによってストレスが解消され、仕事がうまく行くなら、「社会にとってもいいこと」です。
もちろん当然ですが、それは「決して口にしない」ことが大切。
人をキズつけることがないなら、「どんな想像も自由」です。
たとえば心の中で、どんなにハードで性的な妄想をしたとしても、行動しなければOKなのと同じ。
空想するだけして、それだけでスッキリするなら、それ以上にステキなことはありません。
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◆ 今回のまとめ。
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○ 下方比較してしまうのは、人間の本能です。
○ 疲れたときは「あいつよりはマシだ」と考えても、いいんです。
○ もちろん「想像するだけ」にしておきましょう。
ただ、最後に思います。
確かに人間にとって、こういう「順位」や「優越感」というのは、重要な快感
ではあります。
でも。
本当に好きな人と、はじめて手をつなげた。
独立したいと思っていて、ついにできた。
ずっとやりたかったことを、やっと成し遂げた。
こういう幸せを感じたとき、人は「順位や他人なんて、本当にもうどうでもい
い」レベルの気持ちに浸ることができます。
上とか、下とか。
そんな小さな優越感なんて、比較にならないほどの喜びのはずです。
下方比較なんて、栄養ドリンクみたいなものです。
本当の意味での、ご馳走ではありません。
どうしてもつらいときだけ使えばいいだけの話で、一生掛けて、追い求めるも
のではないのです。
あなたが本当にやりたかったことは、何ですか?
日々の生活で忘れかけた気持ちを、もう一度思い出してみてくださいね。
(完)
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
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コメント一覧
なるほど、だから私を見る為に道が混むようになったのですね。
優越感に浸りたくて。