アラブのことわざ、知っていますか?
「ハナとバナに抜かれて、ヒゲがなくなった。」
「どっちつかずには、ムチと棒とで百回ずつ。」
「ターバンが少しの風でうなるのなら、下着は一体どうなるのだ。」
あなたはこのうち、いくつ意味が分かりますか?
2007年最後のメルマガ「セクシー心理学」から、アラブのことわざをお届けします。
◆ 日本とアラブの文化の違い?
あなたは「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ということわざをご存じでしょうか。
「何かを憎むと、その人に関連するものまで憎くなる」という心理のことを言います。
心理学では「連合の法則」と言ったりします。
このことわざ、僕はよく使うので「ぼに」で単語登録しています。
以前に、歌手の「ボニーピンク(BONNIE PINK)」と打とうとして、
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎いーピンク」というシュールな変換ミスができあがったことがあります。切なかったです。
さて、このことわざ、日本人なら誰でも分かりますが、海外の人にとっては、かなり意味不明でしょう。
学生時代にトルコを旅行していたとき、
「日本のことわざを教えてほしい」というトルコ人にたいして、このことわざを教えてみようとしたのですが、とても苦労しました。
相手「ボーズ?」
ユウ「ボーズ イズ ボールド ヘッド」
相手「ケサ?」
ユウ「ケサ イズ ヒズ コスチューム」
みたいに説明したのですが、10分間の格闘の後、
相手「オー! コスチューム・プレイ!」
ユウ「NO!」
という結論になって、非常に悲しかった思い出があります。
このように、各国独自のことわざは、他の国にとっては異文化。
ですので「アラブのことわざ」を聞いて、そのまま理解できる人は少ないと思います。
では、あなたはどうでしょうか。
まずは、こちらのことわざです。
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「 ターバンが少しの風でうなるのなら、下着は一体どうなるのだ。 」
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うん。
これでも、ことわざです。
ていうか「どうなるのだ」と言われても。
一応、説明します。
ターバンって頭に巻くものですね。
ターバンの立場になって考えてみると、頭なんかにグルグル巻かれて、暑くて蒸してつらいかもしれません。
そのため、少しの風が吹いただけで、「こんなとこ、イヤだー!」みたいに、うなるわけです。
しかし!
しかしだよ、ターバンくん!
だったら、下着なんてどうなるんだ!
彼はもっと激しい場所で、文句も言わず、耐えているんだよ!
………という。
まさか年末にもなって、下着をかばうことになるとは思いませんでした。
ひと言で言えば、「中途半端なつらさの人ほど、よく文句を言う。しかし本当につらい人は、何も言ったりしない」ということでしょうか。
こう聞くと、結構深いことわざですね。
実際、確かに本当に苦しんでいる人ほど、言葉にする余裕もなく、何も言えません。
誰かにグチをこぼしたり、不満を言ったりできている人は、「それだけマシ」なのかもしれません。
しかし「下着うんぬん」から、ここまでの内容が分かる人ってほとんどいないと思います。
同じ下着でも、自分は女性のブラだったら大喜びって何でもありません。
ことわざの感動が台無しです。
さらに行きましょう。
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「 どっちつかずには、ムチと棒とで百回ずつ。 」
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これは、今のに比べたら、分かりやすいかもしれません。
悪いことをした男が、「ムチで百たたき」か「棒で百たたき」か、どっちかの刑を選べと言われました。
個人的にはもちろんムチ(もちろん女王様に限る)ですが、その男もムチを選びました。
やはり棒よりは破壊力が少なさそうに思えるのでしょうか。
しかし、ムチは想像以上に痛かったようです。
男は10回の時点で、
「や、やっぱり棒でお願いします!」と言いました。
そのため、今度は棒でたたかれます。
しかし棒も、もちろん痛さには変わりありません。
「ややや、やっぱりムチで!」
もう後は想像できますね。
10回ごとに変更していたため、結果的にムチと棒で100回ずつたたかれてしまいました。
結論としては、「決断せず、どっちつかずであいまいに生きていると、損をするよ」ということになりますでしょうか。
日本語で言うなら、「二兎を追う者は一兎をも得ず」もしくは「虻蜂取らず」に当たることわざです。
その教訓として、「ムチと棒で百回ずつ」というたとえが出てくるのがアラブ的です。
日本なら、
「は? アブやハチなんて、取らねぇし」
「ウサギなんて、追わねぇし」
と言うシブヤ系の若者も、この言い方なら、生々しく理解していただけるかもしれません。
続いて、こんなことわざです。
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「 ハナとバナに抜かれて、ヒゲがなくなった。 」
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これ、かなり難易度レベル高いです。
ここから分かった方は天才です。
ある男が、ハナとバナという二人の女性を妻に持っていたそうです。
ハナバナ。
日本で言うなら、マナカナみたいなものだとお考え下さい。
ここで男には、黒いヒゲと、あと白髪のように白くなったヒゲも生えていました。
そしてハナは、白いヒゲが嫌いでした。
若々しくいて欲しかったのでしょうか。
そのため、白いヒゲをすべて抜いてしまいました。
バナは逆に黒いヒゲが嫌いでした。
オトナっぽい男が好きだったのでしょうか。
そのため、黒いヒゲをすべて抜いてしまいました。
その結果、男にはヒゲがなくなっちゃったよ、という。
これも結局は、「二兎を追う者は一兎をも得ず」と同じです。ムチ棒と同じです。
もしくは「八方美人すぎると大切なものを失うよ」と取ってもいいかもしれません。
まぁでも、ヒゲがなくなっても、マナカナが嫁ならいいじゃん、と思ってしまうのは、日本人もとい僕の浅はかさでしょうか。
この流れで納得いただけるか分かりませんが、とにかく二兎を追うのはダメみたいです。
では、うまく気持ちを集中し、一兎だけを追い、成功するには、どうしたらいいのでしょうか。
最後に、その答えになることわざをお教えしましょう。
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「 どんなにつらくても、街に住め。 」
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今までと打って変わって、分かりやすいです。
単刀直入です。
街には、多くの人が集まります。
そこでは争いも生まれるでしょうし、人間関係で悩むこともあるかもしれません。
しかし、それを差し引いても、多くの人と接することで、楽しみや喜びが生まれることもあります。
また競争などを通して、向上できることもあるでしょう。
ケンカを通して、深い関係が築かれることもあるかもしれません。
逆に誰もいないところに一人で住んでいれば、静かで落ち着くかもしれません。
しかし裏を返せば、刺激も喜びもありません。
「自然はいいなぁ」という意見もありますが、それも、たまに来るから言えることです。
とにかく強制的にでもいいから、街に住んでしまうこと。
多くの人と接するような場所に、出てしまうこと。
そうすれば気持ちもイキイキして、エネルギーも湧き続け、何かに集中することもできるかもしれません。
もちろん、すでに人間関係に疲れ切った人には、当てはまらないと思います。
しかし多くの人にとって、参考になる部分も多いのではないでしょうか。
あなたも迷ったときは、とにかくたくさんの人と接する場所にいた方が、最終的に多くのものを得られるかもしれません。
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◆ 今回のまとめ。
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○ 下着を見習え。
○ ひたすらムチで打たれとけ。
○ マナカナ二人と結婚するな。
○ 人が多いところに出よう。
というわけで、いかがでしたでしょうか。
特に、最後のことわざ、「どんなにつらくても、街に住め。」
僕自身にとっては、このセクシー心理学のメルマガ、そしてサイトは、一つの「街」です。
この2007年、ここを通して、本当に多くの人と話して、色々なものを得ました。
つらいことの数億倍、楽しいことでいっぱいでした。
今年一年。
この街に、あなたが遊びに来てくださり、僕の話を聞いてくださったことに、心からの感謝の気持ちをこめて。
本当に本当にありがとうございました。
2008年も、どうかよろしくお願いいたします。
バストバスト連発するたびに無人街に近づいていったらどうしようと不安になりつつも、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)
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