メンタルクリニックを開業する精神科医7。
メンタルクリニックの開業を決心する僕。
そんな僕を、マヤが新宿で誘った場所とは!?
こんばんは。ゆうきゆうです。
そしてメンタルクリニックの話、続きです。
マヤ「せっかく新宿に来たんだから、行くところは一つしかないでしょ?」
ユウ「ど、どこですか?」
色々な場所が妄想されます。
あんなお店なんだろうか。
こんな場所なんだろうか。
すると、マヤ先生は、言いました。
マヤ「メンタルクリニックめぐりよ」
ユウ「………は?」
マヤ「だってこれだけ人口の多い新宿だもの。
そこで開業してるクリニックだったら、見ておいて損はないんじゃない?」
ユウ「………」
うん。
何て言うんだろう。
自分の心根を反省した気分でした。
ユウ「………で、どこにクリニックがあるか、知ってるんですか?」
すると先生は、にこやかに言いました。
マヤ「適当に歩けば、つくわよ」
そんなメンタルクリニックの探し方、見たことない。
マヤ「大丈夫よ」
ユウ「何でそう言い切れるんでしょうか…」
マヤ「ほら、こんな言葉があるでしょう?」
ユウ「なんですか?」
マヤ「精神科医は、精神科医に引かれあう」
ないと思います。
マヤ「引かれあってるから、適当に歩けば、そこには精神科医がいるわよ」
なんだかその発想自体に引かれる気がします。
意味はぜんぜん分かりませんでしたが、とにかく僕たちは歩き始めました。
しかし、5分後です。
マヤ「ほら、あった」
ユウ「…え?」
何と目の前に、一つのメンタルクリニックの看板が現れたのです。
ユウ「え、えええ!?」
確かに。
確かに、ありました。
ユウ「す、スゴイですね! 本当に精神科医って、無意識に精神科医に」
マヤ「うん。昨日グーグルで調べたから」
精神科医とか、ぜんぜん関係ない。
マヤ「じゃあ、中に入りましょう」
リオ「そうだな」
うん。
何がどう「じゃあ」なのか、僕にはまったく分かりません。
しかし二人の論理展開では、ごくごく自然な形で、メンタルクリニックに入ることが決まりました。
ユウ「な、何て言って入るんですか?」
マヤ「中を見せて欲しいって堂々と言うのよ」
果たしてそれって、通じるんだろうか。
すると先生は、僕の心配を感じたかのように、言いました。
マヤ「いい? 人間はね、どんな頼み事であっても、『理由づけ』があると、
つい無意識に従ってしまうものなの。
『○○だから』『▲▲なので』という言い方をすることで、頼み事の承諾率を、
90%くらいにすることができるのよ」
ユウ「………」
なんだかそう言われると、どこかで聞いたような気もします。
僕の心配をよそに、二人はどんどん中に入っていきました。
受付「はい。はじめての方ですか?」
受け付けのお姉さんが、そう問いかけます。
マヤ先生は、言いました。
マヤ「中を見たいので、中を見せてほしいんですけど」
そのまんまだ、と思いました。
受け付け「………」
マヤ「………」
何とも言えない沈黙が走ります。
リオ「ちょっと見るだけだから! 絶対に何もしないから!」
ダメ押しが炸裂したと思いました。
すると、受け付けのお姉さんは、言いました。
受け付け「ちょっとウチでは、そういうサービスはやっておりませんので」
「サービス」って何ですか。
僕は後ろで、心の底からツッコミました。
静かにそのクリニックを後にしつつ、リオ先生は遠い目をして言いました。
リオ「………」
ユウ「………」
リオ「今の受付嬢の、前職が気になった」
それは気にしないでください。
マヤ「リオが余計なこと言うから、見せてもらえなかったでしょ?」
リオ先生だけのせいだとは思えないんですけども。
マヤ「まぁ、クリニックは他にもあるから、また頑張りましょう」
リオ「そうだな」
ユウ「………」
僕は本当に、クリニック開業に向けて進んでいるんだろうか。
そんな不安に浸りつつ、新宿の街を歩いていました。
(つづく)
さらに次に入ったメンタルクリニックは!?
ユウは果たして無事に開業できるのか!?
そんなこんなで、みなさま今後ともよろしくお願いいたします。
2008年6月の開業向けて頑張ってます。こちら。
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