チャンスは10回まで。 単純接触の数

あなたは、お笑い芸人の、柳原可奈子さんという人をご存じでしょうか。
ぽっちゃりした方で、ショップの店員のモノマネをする人なんですけども。

最初に見たとき、なんかまぁ「あ、そうですか」な方だったのです。
正直、まったく興味がない人だ、と。

しかし現在、なんか微妙にかわいく思えてきました。
いえ、微妙に、というか、かなり。

これ、あなたも体験、ありませんでしょうか。
最初はどうでもいいと思っていた相手が、いつのまにか気になっていた。

いえ、だからといって「誰でもそうなる」わけではないのです。
何度見ても、いまだに興味がない芸能人も、たくさんいます。
これ、あなたも同じではないでしょうか。

どうして、こういう差が生まれるんだろう。
今夜のセクシー心理学は、そのナゾに迫りたいと思います。

◆ 会えば会うほど。

それを解くキーは、心理学者であるZajonc(1968)の行った、こんな実験です。

彼は大学生らに、多くの人の写真を見せました。
そしてこのとき、人によって、見せる写真の回数を変えました。
すると、見せる回数によって、その写真の人物への好感度は、大きく変わったのです。

具体的には、こうなりました。
左が見せる回数、右が好感度です。

「0回」 ⇒ +2.8
「1回」 ⇒ +2.9
「2回」 ⇒ +2.9
「5回」 ⇒ +3.2

ひと言で言えば、「たくさん見せるほど、好感度が上がった」のです。
これを「単純接触の原理」と言います。

たとえば、最初はどうでもいいと思っていたタレントであっても、テレビで何度も見ているうちに好きになったりするのも、これが原因。
たいして興味のない異性であっても、何度もデートしているうちに、いいかもと思えてくるのもこれが原因です。

ですのでとにかく恋愛では、
「こまめに会え!」
「頻繁に連絡しろ!」
ということが大切なテクニックになってくるわけです。

しかし、です。
実は先ほどの表は、さらに重要なことを示しています。

それこそが、
「10回がピークで、それを過ぎたら、あとは25回会おうが、たいして上がらない」
ということ。

そうです。
単純接触の原理にも「限界」があるのです。

そしてその限界こそが、この実験では「10回」だったのです。

非常に切なくもリアリティにあふれた事実だと思うのですが、いかがでしょうか。

◆ 10回が、ポイント…?

思い返してみれば、確かに僕が柳原加奈子さんをテレビで見た回数は、10回以内です。
逆に10回見ても微妙な印象のままのタレントは、いつになっても微妙な印象のままです。

「何度も見続ければ、どんな人だって好きになる」というわけではありません。

クドイほど言いますが、だいたい10回以上は、「ほとんど変化がない」わけです。

ですので、あなたにイイと思っている人がいるけど、相手がその気持ちに応えてくれないとしましょう。

その人と、あなたは今までに、何回接点を持ったでしょうか?

この実験では「写真を見せた」というライトなものですので、それこそ実際に会わなくても、「電話」や「メール」などでも、回数に数えてもいいかと考えます。

すなわち「電話」「メール」「実際に会う」の総計回数が、何回かを数えてみてください。

それが、10回以内なら「まだチャンスはある」かもしれません。

たとえば今までに1回会って、3回メールをしている関係なら、あと5・6回くらいはメールするべきでしょう。

その中で、あなたへの思いが燃え上がる可能性もありえます。

しかし、すでに10回以上、会ったり電話やメールをしたりしていて、それでも相手が振り向いてくれないなら、もしかして「それ以上やっても、あまり変化は期待できない」かもしれません。

もちろん奇跡が起こる可能性は0ではありません。
ただその労力で他の人を並行して探した方が、より効率的ではないかと思います。

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◆ 今回のまとめ。
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○ 単純接触の原理にも、限界がある!

○ その目安こそが「10回」!

○ 誰かと10回メールを往復させても相手の心境に変化がなければ、次の人に行った方が効率的!

これこそがセクシーメソッド『十分の十』!

十で十分。
そう意識を持つことが、何より大切なんですよ。

◆ さいごに。

繰り返しますが、
「そのあと、いくら行動しようがぜんぜん変わらない」
と言い切るものではありません。

相手に何か環境の変化があり、突然に誰かを恋しくなる可能性もあります。
あなた自身が成長することで、惚れ直してもらえる可能性だってあります。

こういう「大きな違い」があれば、奇跡が起こることだってありえます。

しかし、ただそういう変化なく、ただ漠然と同じことを繰り返しているだけでは、ダメなのです。

まずはとにかく、何も考えなくてもいいので、10回頑張ってみる。

そしてそれでもダメなら、少しだけ考えてみる。

今回言いたいのは、ただそれだけです。

「決して、あきらめない」。

これは一見、聞こえがいい言葉です。

ただそれが、目の前のできごとから目をそらして、思考をしないことの正当化なだけなら、何の意味もないんですよ。

 

 

というわけで、「10回」の話。
いかがでしたでしょうか。

ぜんぜん関係ないんですが、自分はある女性に電話番号を聞いただけで、セクハラ扱いされたことがあります。

あぁ、ハラスメントなんだ。

聞くことがイヤがらせに相当するんだ。

10回どころか1回でアウト。
2回目すら存在しませんでした。

単純接触というより、本当に単純すぎる接触。複雑になりようがない。

切ない人生を送りつつも、みなさまここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

 

完全余談
ちなみに柳原可奈子さん、こちらの動画の3:45あたりからが個人的に好きです。