誕生日まで、死なないで。 フィリップスの調査
あなたが「いつ死ぬ」か、分かりますか?
その答え、僕には分かっているんです。
こんばんは。ゆうきゆうです。
さて遅くなりましたが、まぐまぐ大賞、ご投票ありがとうございました!
このセクシー心理学・セクシー心理学GOLDですが、
総合大賞2位と、まぐまぐプレミアム部門の1位をいただきました!
みなさま本当にありがとうございます!
相変わらず、明らかに方向性の違う写真を掲載していますので、もしよろしければ、はい。
⇒ http://www.mag2.com/events/mag2year/2008/
それはそれとして。
最近、メンタルクリニックという仕事の「弊害」が起こってしまいました。
僕、診察の最後には、基本的に「お大事にされて下さい」と言うんです。
まぁ、普通だと思うんですけども。
これを繰り返していたら、です。
ついさっき、コンビニで買い物をしたときに、お姉さんがレシートとお釣りをくれました。
そのとき、とりあえず「あ、どうも」くらいのことを言おうとした僕だったんですが。
そのときに。
「あ、どうもお大事にされてください」。
時が止まりました。
何より、お前がお大事にしろ、という感じです。
店員さんの「あ、はい…」という引きつった表情が忘れられません。
2008年の年末もいつも通りな人生を送りつつも、今夜もメルマガ「セクシー心理学」から、こんな話をお届けいたします。
◆ クリスマスには、死にますか?
さて、冒頭の「いつ死ぬか」という問題。
実はカリフォルニア大学の社会学者であるデビッド・フィリップスは、「人間っていつ死ぬか」ということに興味を抱きました。
そして彼は、
「たとえば楽しいイベントがあったら、それまで死ぬのを待つんじゃない? そしてその直後は、死ぬ人が多くなるんじゃない?」
と考えました。
楽しいイベントといえば、よく考えられるのは「クリスマス」です。
「いやいやオレには楽しくねぇよ!」
という人も多いかと思いますが、とにかくフィリップスはそう考えたのです。
しかし、クリスマスは当然「冬」にあります。
冬だと寒いわけで、それによって死亡率に影響を与えてしまう可能性もあります。
そのため、彼は中国の「中秋節」という祝日に注目しました。
これは、中国の主婦たちが伝統的な料理を作って周囲に振る舞うという、一大イベントの祝日です。
そしてこの祝日は、年によって日にちが変わります。
フィリップスは、この前後で、果たしてどれだけ死ぬ人が多いかを調べたわけです。
すると、
「中秋節の前の一週間の死亡率は、他のときより35%低く、中秋節のあとの一週間は、逆に35%高くなる」
ということが分かったのです。
すなわち人間は、イベントによって死ぬ率が変わる可能性がありえるのです。
さらに。
フィリップスの調査は、ここで終わりませんでした。
◆ 誕生日には、死にますか。
続いて彼は、1969年から1990年にわたってカリフォルニアで死亡した300万人を対象にして、「いつ死んだか」を調べました。
すると、
「女性は、誕生日の次の週に死んでいることが多く」、
「男性は、誕生日の前の週に死んでいることが多い」
ということが分かったのです。
これ、個人的にかなり衝撃的だと思うのですが、いかがでしょうか。
では、この差はどうして生まれるのか。
フィリップスの分析では、
「女性は、誕生日を楽しい祝い事と考えて楽しみにするため、それまで死ぬのを待つ」が、
「男性は、誕生日を自分の人生の節目として考え、『あぁ、この年になったのに、どうして自分は思い描いていた位置と違うんだ』と悲観的になるため、その前に死んでしまうから」
だそうです。
実際にこの調査に関しては、多くの論争がおきました。
さまざまな学者が調査したところ、「この傾向は認められなかった」という結果もありましたし、「この傾向は同じく認められた」という結果もありました。
ですので、
「ああ! 俺は誕生日前に死ぬんだ!」
「私は誕生日のあとに死んじゃうの!?」
とまで本気にする必要はないかと思います。
話半分程度にお取り下さい。
ただ、フィリップスの分析自体は、なかなか興味深いモノがあると思うのですが、いかがでしょうか。
女は、誕生日というイベントをすごく楽しみにする。
男は、誕生日というイベントを憂うつに感じる。
実際に考えてみると、確かに女性って男性に比べて、自分の誕生日を、イベントとしてものすごく重要視する人が多いように思えます。
「いやいやっ! 私は女だけど、誕生日は憂うつよ!?」
という人もいるかもしれません。
ただこの調査、「死ぬ」からには、基本的に年配の人たちの話です。
あなたも60・70になれば、「開き直って楽しめる」のではないでしょうか。
しかし男は、それでも「切ないもの」と感じてしまうのです。
そう考えると、女性の方が寿命が長い原因の一つは、これなのかもしれないと思えてしまいます。
◆ ムチ打つ男は、道が遠い。
あなたは「伍子胥(ごししょ)」という人物をご存じでしょうか。
彼は、父と兄を、楚の国の「平王」という王様に殺されてしまいます。
その復讐のために、別の国の将軍となり、数十年をかけて、楚の国の首都を占領するに至りました。
しかしそのとき、すでに平王は、死んでいました。
おまけに現在の楚の国の王もすでに逃亡していました。
怒りの向けようがない彼は、平王の墓をあばき、その死体を引きずり出します。
そしてその死体に向けて、何度もムチで打ったのです。
平王が生前にすんごいMで、伍子胥が女王さまだったら、平王も天国で大喜びだったと思いますが、当然そんなことはないわけで、彼の行為は周囲から大批判されました。
この故事は「死者にムチ打つ」という言葉の語源になっています。
そして伍子胥は、その行為を責められたときに、こう答えました。
「日暮れて道遠し」。
人生で残された時間は少ない。
しかし、まだ目指すべき道は遠い…。
この言葉、切なくも激しく心に響くのですが、いかがでしょうか。
◆ 今の、幸せ。
自分は、こうなりたい。
いつか、こんな夢を達成させたい。
そんな期待を持つことは、何より大切です。
しかしそれがあまりに大きすぎると、自分の「いま」と比較した場合に強いショックを感じてしまいます。
「俺は今まで、何をしてきたんだろう…」
「自分の人生って、何だったんだろう…」
「昔思っていた場所に、どうしてたどりつけないんだろう…」
これは男性だけでなく、女性も感じることはあるはずです。
人はこんなときに強くショックを抱えてしまい、特に高齢の場合、死に至るストレスにすらなる危険性があるわけです。
特に2008年も終わりますが、
「今年、何やってたんだろう…」
と、悲しく感じる人もいるかもしれません。
ですので。
もしあなたが、そんな風に考えてしまうタイプなら。
たまにはその思い描くレベルを、もっとずっと、下げてみてもいいのではないでしょうか。
それこそ、あなたは今年、何らかの事故で亡くなっていたかもしれません。
もしくは今、目の前にいる人を、失っていた可能性だって、ゼロではなかったはずです。
でも、そうじゃなかった。
少なくとも、あなたはこうして生きているんです。
さらに目の前に誰かがいるなら、実はそれだけで、すごく幸せなことなんです。
小さな不幸だけに、目をとめないでください。
失ってからでは、遅いんです。
死んでから後悔しても、意味がありません。
今の幸せに、今気がつくことが大切なんですよ。
2008年も、セクシー心理学を読んでくださって、本当にありがとうございました。
また来年も、さらにセクシーにお会いしましょう。
(完)
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません