ハチミツと蛇。~ハニー・ビネガー・テクニック
よく、余計なことを言ったりしたときに、「蛇足ですが」とか言ったりしますよね。
この「蛇足」。
あなたは、この言葉の由来をご存じでしょうか。
あるとき、男たちが集まって、言いました。
「今からそれぞれ、ヘビの絵を描こう。一番早く描けたものが、この酒を飲んでいいことにしよう」
今回はそんな内容から、すんなり気持ちを受け入れさせるテクニックのお話です。
あらためましてこんばんは。ゆうきゆうです。
今夜もセクシー心理学から、こんな話をお届けします。
さて、今の話の続きです。
「今からそれぞれ、ヘビの絵を描こう。一番早く描けたものが、この酒を飲んでいいことにしよう」
その言葉と共に、男たちは大急ぎでヘビを描きました。
そして。
ある男が一番先に描き上がりました。
しかし他の男たちは、まだぜんぜん描けていません。
最初に描いた男はニヤニヤ笑って言いました。
「くはははっ! みんな遅いなー! 俺なんか、余裕すぎて足まで描いちゃうぜ?」
そして彼は、ヘビに足を描いたわけです。
すると、次に描き上げた男が、最初の男の手に持っていた酒を奪い取って、飲んでしまいました。
「お、おおいっ! 俺が一番だっただろ!?」
すると二番目の男は、言いました。
「お前はヘビに足を描いた。その時点で、それはもうヘビじゃない。だから一番は俺なのさ」
このことから、余計なモノを付け足すことを「蛇足」と言うようになりました。
僕がその男だったら、間違いなく、バストとか描き足すと思います。
なんならバストから描き始める勢いです。
そうすると、蛇足にあたる言葉も「蛇乳」とかになってたかもしれません。
いや逆に、バストメインで、ヘビの方が余計なモノみたいな故事になってて、
「乳蛇」みたいな。
自分自身、人としてすべてが蛇足な気がしております。
◆ ハチミツと、酢。
さて。
今の話は、「ヘビ」というメインが、「足」という余計なモノで、台無しになってしまったわけですが。
これ、逆のコトだってありえます。
何かネガティブなモノだって、ちょっとしたプラスの情報を混ぜることで、不思議と全体が、プラスの印象で染まることって、ありませんでしょうか。
実際に交渉では、
「ハニー・ビネガー・テクニック」
というものがあります。
日本語にするなら、「ハチミツと酢」。
酸っぱい酢も、甘いハチミツとセットにすることで、すんなりと相手に飲ませることができる…というテクニックです。
たとえばあなたが、何かを断る場合。
「とても気持ちは嬉しいんだけど…。それはちょっと厳しいんです…。ごめんなさい…」
このように言えば、相手もすんなり受け入れられるはず。
「厳しい」という酢を、
「気持ちは嬉しい」「ごめんなさい」というハチミツで包んでいるわけです。
逆に、
「そんなの、まったくダメ! 絶対にやりたくない! ふざけないで!」
とだけ反応すれば、それはまさに「オール・酢」。
相手もすっごくイライラっと来るはずです。
とにかく結論はネガティブであっても、その前にプラスをつけくわえることによって、相手への印象を甘くするわけです。
これはいくらでも応用可能です。
「今回の話、とてもいい話だとは思うのですが、上の了解が取れませんで…」
「告白されたことは嬉しくはあるんだけど、好きな人がいるから…」
「いい考えだ! でもちょっとそれは今は難しい」
などなど、何でも構いません。
とにかく「プラスをつけるのを忘れるな」ということになります。
◆ 批判メッセージも、ハチミツで。
自分の例で恐縮なんですけども。
色々と原稿やメルマガなどを作っておりますと、時に批判的なメッセージなどいただくこともあります。
そんなときも、
「今回の内容、微妙です!」
とだけ書いてあると、すんごい切ないんですけども。
でも、
「いつもとても楽しく読んでます。ただ、今回の内容、ちょっと微妙でした。でも、◎◎の内容はとても良かったですよ」
というように、ハチミツが混ざっていると、ほんわりと理解する気持ちが湧いてきます。
うん。
何を言っているかと言いますとですね。
「だから僕を甘やかせ」
と言っているワケではなくてですね。
いえ、そう言ってる部分も多々あるんですけどもね。
ただまぁ、とにかく大事なのは、「つらい言葉を言うときも、なるべく甘い言葉をセットにしてあげてくださいまし」ということです。
もちろんハチミツだけに越したことはないんですが、どうしても酢を伝えるのなら、ハチミツセットで、と。
酢だけ伝えて喜ぶ人は皆無だという自信があります。
特に打たれ弱い自分からの希望であると理解いただけると、他の人との対応でも、少しだけ参考になる部分もあるのではないでしょうか。
◆ キッパリ言うと、憎まれる。
こういうと、よく「違う! 甘い言葉でゴマかすな! ダメなときは、ハッキリ言ってもらった方が、自分のためだ!」という人もいるんですが。
間違いなく、言った人間は、恨まれます。怒られます。
「あの人に△△と言われた」
とか、エンドレスに持ち越されます。
いえ、その相手が最終的に大成功をおさめるのなら、
「あのときのあの否定があったから、今の自分があります」
なんて感謝してもらえる可能性もゼロではありません。
しかし!
いったいどれだけの人間が、そこまで成功してくれるというのでしょうか。
そこまでキモチ良く、言われたことを受け入れられる度量があるのでしょうか。
そもそもそういう、人の言葉を受け入れる度量がある人なら、
「違う! 甘い言葉でゴマかすな! ダメなときは、ハッキリ言ってもらった方が自分のためだ!」
みたいに人の意見を否定しないはずです。
「あぁ、甘い方がいいという考えもあるよねー。分かるわー」
くらいな気持ちを持つはずです。
いずれにしても、あなたが相手に恨まれたくないと思うのなら、そして真の意味で相手にすんなり意見を受け入れて欲しいと思うのなら、とにかく「ハチミツで包む」ことです。
ただもちろんですが、ハチミツで包むあまり、酢を忘れるのはダメです。
きちんと「ダメ」ということを表現する必要があります。
「それができない…」という人にも、今回のテクニック。
ハチミツを伝えるんだ!それさえあれば、少しすんなり受け入れられるんだ!
と思えば、少しだけ言いやすくはなるのではないでしょうか。
どうか覚えておいてくださいね。
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◆ 今回のまとめ。
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○ つらいセリフを伝えるときや断るときは、とにかく「ハチミツで包む」こと。
○ そうすると、少しだけすんなり受け入れられます。
というわけで、いかがでしたでしょうか。
ちなみに自分がバストネタを書いているのも、ある意味、ハチミツで包んでるつもりです。
バストで包めば受け入れられるかな、みたいな。
自分の存在が酢なのかも、と思いつつも、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)
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