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精神科医ユウの日記 <90%ノンフィクション・10%ユウの妄想>
モーニング女医。03/06
                    ~許せない女医。
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つい最近、僕とマヤ先生とリオ先生の3人で、一緒に昼ご飯を食べました。
そんなとき、こんな会話が始まったのです。

マヤ「ねぇ、許せないことって、ない?」
リオ「許せないこと?」
ユウ「…どういうことですか?」
リオ「牛のラベル張替えとか、鈴木宗男とかのことか?」

マヤ「そんな難解なことじゃなくて!









それほど難解じゃないと思います。


マヤ「ほら、よく雑誌とかで、『犯人の手記、独占入手!』ってやってるじゃない?
リオ「…あぁ。それで?」

マヤ「『手記』っておかしくない?

リオ「…どこが?」

マヤ「手記ったって、「手」で書くのは当たり前じゃない?
わざわざ言わなくてもいいでしょ!?









先生も、そんなことにわざわざ突っ込まないでください。

リオ「…じゃあどう言うのが正解なんだ?」

するとマヤ先生は、自信満々に言いました。

マヤ「記。









えっと。

リオ「いいな、それ!







同意されるんですか。


マヤ「だからこう言うのが正しいわね。『犯人の記、独占入手!』

リオ「…ちょっと待てよマヤ。それだったら、『入手』の「手」も、いらないだろう。
足に入れるわけないんだし

マヤ「確かに。じゃあ独占だっておかしいわよね? 独だけで充分なはずだわ」

リオ「そうすると…」




すでについていけなくなった僕は、一人で豚丼を食べていました。


マヤ「これで完成ね!」
リオ「あぁ!」

その声にそちらを向くと、リオ先生の手帳に、大きくこう書いてありました。




「犯記独入!」










どんな四字熟語ですか。


リオ「この『!』のマークがポイントだな



そっち問題じゃないです。



そう思っていると、リオ先生はさらに言葉を続けたのです。

リオ「実はな、俺にも1つだけ、許せないことがあるんだが…」





まだあるんですか。

リオ「カエルの子はカエルっておかしくないか?」

ユウ「はい?」

リオ「Aの子はAだって言いたいのは分かる。
でもそれにしても、どうしてわざわざこんなものを選んだのだろうか。
カエルの子はオタマジャクシ。こんな風に、子供だって突っ込むはずだ。
どうしてわざわざ、カエルを選んだんだ?」

マヤ「じゃあ、どうすれば良かったの?」

リオ「そうだな…。イヌの子はイヌ。サルの子はサル。
そういうシンプルな方が、よっぽどいいじゃないか。」

するとマヤ先生は、しばらく考えた後に、こう言いました。

マヤ「待って。
イヌの子は、『子イヌ』よ








えっと。

マヤ「サルの子は、子ザル

リオ「そ、そういえば……!!

いや、そんな衝撃の事実を目の当たりにした特派員みたいな顔をしなくても。

リオ「じゃあ何か? どんな動物を選んだとしても、
『Aの子はA』とは言えない
ってことか?」

マヤ「そうよ……。袋小路に落とされたわね…





自ら落ちていったような気がします。

しばらく考えた後で、リオ先生は言いました。


リオ「なぁ、子ミトコンドリアって言うか?」

………。


マヤ「…言わないと思う……」



するとリオ先生は大喜びで言いました。


リオ「じゃあ、ミトコンドリアの子はミトコンドリア
でいいじゃないか!」







ミトコンドリアって、子供産むんですか。



マヤ「スゴい! 私たち、ついにやったわね!!










『やっちゃった』の間違いです。





僕はそこまで思いながら、またキリキリと胃を痛めながら、残りの昼食を食べ始めたのでした。



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精神科医マヤの日記 <90%ノンフィクション・10%マヤの妄想>
モーニング女医。reverse 03/10
                    ~別の意味で許せない女医。
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こんばんは。みなさん。
マヤです。

最近、あまりにユウ先生に書かせているのも悪いかな、と思いまして、私も書いてみることにしました。

そのほほえましいエピソードは、つい昨日のことです。
ユウ先生が、医局のパソコンで、必死に何かを検索していました。

そのあまりに切羽詰った形相に、私は気の毒になりました。
そして、つい優しい言葉をかけてしまったのです。

「ねぇユウ先生? 日記とか、ひんぱんに書くのつらいでしょう? たまには私が手伝ってあげても…」


私がそう言うと、ユウ先生は大慌てでパソコンを閉じました。

「い、いいいいいい、いたんですかっ!?






……………。



明らかに怪しいと思ったのですが、そこはそれ。
優しいワタシのこと。

私は、笑顔で言ってあげたのです。









「手は頭の後ろ、すぐに立つ!」



そして、私は電光石火の速さでパソコンを開きました。


すると、そこに出ていたのは………。



















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……うふふふふ。






……………うふふふふふふふふふ。











うふふふふふふふ。




…ねぇ、ユウ先生?





その時、すでにいなくなっていたユウ先生の残り香を感じながら、

私は、今後の日記のノルマを、

さらにキツくしてあげようかな
と思ったのでございました。


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