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精神科医ユウの日記 <90%ノンフィクション・10%ユウの妄想>
モーニング女医。9/09
先行者を超えた女医。前編
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マヤ「ねえ、日記って今、ヒット数どのくらい?」
それは、マヤ先生の何気ない言葉から始まりました。
ユウ「あ、11万ヒットちょいです…」
それを聞くと、マヤ先生は言いました。
マヤ「そんなに少ないワケ!?
半年で5億ヒットするって言ったじゃない!?」
言ってません。
マヤ「…マズいわね…」
いや、特にそんなでも。
マヤ「…でも、心配いらないわ!」
ユウ「はい?」
マヤ「あの、某日記サイトって、あるじゃない?」
ユウ「はぁ…」
マヤ「あのサイトって、どうしてあんなに大きくなったか、知ってる?」
ユウ「先行者ですよね?」
するとマヤ先生は、急に講師口調になって言いました。
マヤ「そう! では、ここで質問。
どうして先行者は、あそこまでウケたのでしょうか?」
突然の質問に、僕は考えました。
ユウ「…タイムリーだったからですか?」
マヤ「ジャンボリー?」
言ってません。
マヤ「まぁ、確かにそれもあるけど…」
あるんですか、それ。
マヤ「…それ以外には?」
ユウ「………。分かりません………」
するとマヤ先生は、頭に手を当てて、言いました。
マヤ「ああああもう、分かってないわね! あれはね、ギャグの対象がロボットだったからよ!」
ユウ「え?」
マヤ「あれが人間なら、絶対に抗議が来る。巨大サイトになる前に、潰れてしまうわ」
ユウ「はぁ…」
マヤ「さらに作者だって、その人に悪いと思う気持ちから、どこかで突っ込みが緩むの。
その点ロボットなら、例えその存在価値全てを否定しても、気持ちは痛まないでしょう? だからこそ、あそこまで強いギャグとして成立したの」
ユウ「……」
マヤ「そしてそれは、読む方も同じ。対象が生き物じゃないからこそ、後ろめたさがなく笑うことができる。それが、あそこまでヒットした原因なのよ」
ユウ「はぁ…」
マヤ「分かった? だからウケた一番の理由は、ギャグの対象が生き物じゃないから」
僕はその言葉に納得してしまいました。
マヤ「だから、この日記も、1億ヒットくらいすると思ったんだけどね…」
僕は、生き物ですから。
マヤ「まぁ、でも大丈夫! ユウ先生より、もっと強烈なロボットのネタ、仕入れたから!」
だから僕はロボットじゃ
マヤ「ちゃんと聞いてる?」
ユウ「は、はい!」
………
ロボットかも。
マヤ「このロボットは、軽く先行者を抜くわよ!?」
ユウ「ほ、本当ですか!?」
マヤ「そうねぇ…。対抗した意味もこめて、名前は…」
ユウ「……」
マヤ「後行者」
絶対に、抜けません。
<問題>
太郎君は、朝の8時に東に向けて出発しました。
次郎君は、太郎君の忘れ物に気が付いて、その10分後に追いかけ始めました。
次郎君が太郎君に追いつくのは、何分後でしょうか。
ちなみに太郎君の歩く速さは、時速5キロメートル。
次郎君の歩く速さは、時速2キロメートルです。
<解答>
永遠に追いつけません。
しかしマヤ先生は、意気揚揚と話を続けます。
マヤ「ほんっとにスゴいのよ、このロボットは!」
ユウ「……。何ていうロボットなんですか?」
マヤ「聞いて驚かないでよ?」
これ以上、絶対に驚きません。
マヤ「その名も、景観評価ロボット!!」
僕、今あらためて、
『脱力感』という言葉の意味を実感しました。
さあ、そのロボットとは一体何なのか!?
果たしてモーニング女医。は、あの先行者サイトを抜くことができるのか?
待て、次回!
つづく
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精神科医ユウの日記 <90%ノンフィクション・10%ユウの妄想>
モーニング女医。10/20
~先行者を超えた女医。完結編
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<前回までのあらすじ>
『先行者を超えるロボットを発見したの! これでうちのサイトも5億ヒットね!』
と、狂喜乱舞する精神科医マヤ。
果たしてマヤの言うことは本当なのか!?
果たしてモーニング女医。は、アレを抜くことができるのか!?
その日の晩、マヤ先生からのメールが届きました。
タイトルは、
「先行者を超えるロボット 『景観評価ロボット』 レポート
~昼に眠る時間を惜しんでまで集めた資料」
いや、そんな副題をつけられても。
僕は、そのメールを読み始めました。
<マヤ> つい最近、日本のある大学で開発されたという、景観評価ロボット。
人間が「美しい風景」と感じるパターンを分析し、目の前の風景を4通りに評価するという。
これが本当だとしたら、すごいことです。
「景色」というアナログなものをデジタルな計算式に置き換えるなんて、かなり高度なプログラムと言えます。
僕は、続きを読みました。
<マヤ> 評価は、音声で発する。 そのセリフは、
1番いいと 『とてもいい景色ですね』
次にいいと 『なかなかいい景色です』
あまり良くないと 『単調な景色ですね』
最悪の景色だと 『なんだか雑然としていますね』
音声で判断。
僕の興奮は、ますます高まりました。
一体そのロボットは、どんな姿をしているんでしょう。
<マヤ> 私は景観評価ロボットの外見を調べるために、あらゆる論文・ニュースグループなどを検索した。
しかし、今の時点では、どこにも見つけることは出来なかった。
そのため、与えられている情報を統合し、私なりに想像図を描くことに成功した。
僕の胸の興奮は、最高潮に高まります。
添付されていた画像ファイルを、震える手で開きました。
さあ、景観評価ロボットの登場です!
これはない。
これはないでしょうマヤ先生。
いったいどこをどう総合したら、
これができるんですかマヤ先生。
>想像図を描くことに成功した。
大失敗ですマヤ先生。
何ていうか、景色を評価するとかどうとかより。
突っ込まれるために作られたとしか
思えません評価ロボットマヤ先生。
だいたい、景色を評価するとか言いながら、
見る気あるんですか、
この目は。
っていうか、それ以前に。
何ですかこの
アゴのしゃくれ具合は。
さらに、つい見逃してしまうところだったんですが。
なぜ電波が必要
なんですか。
そして、ロボットのお腹。
どうしてジャイアンTシャツ
なんでしょうか。
そして、何が起こっても
これだけは決して突っ込まないわけにはいかない
のですが。
何が言いたいんですか
マヤ先生。
そう思っているところに、2通目のメールが届きました。
僕は急いで開きます。
<マヤ> これを読んでいる中には、
股間の円筒状の物体が気になる、
ごく一部の方がいるかもしれない。
全員気になっていると思います。
<マヤ> これは、ロボットに必須のビーム砲である。
先行者の中華ビームに対抗して。
まさか。まさか。
僕は必死に自分を制しながら、添付されていたファイルを開きました。
明日、病院休むかもしれません。
<マヤ> このビームを出すために、まず屈伸運動により股間に大地のエネルギーをためこむ。
………。
屈伸できないじゃん。
<マヤ> 私は、景観評価ロボットに慣れ親しんでもらうために、以下のアニメを作った。
これを読まれた方には、ぜひ見ていただきたい。
って、僕のことですね。
僕は、もうここまで来たら何も怖くない、と思いながら、そのファイルを開きました。
皆さんが、本当に勇気があった場合のみ、スクロールさせて見てください。
3
2
1
もう何ていうか、僕には突っ込むことすらできません。
ただ、最後に一言だけ言わせてください。
↑ 全然似てません。
完