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精神科医ユウの日記 <90%ノンフィクション・10%ユウの妄想>
モーニング女医。8/07
              ユウのセクシーな日常 ケーキを作る女医。
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つい先日のことです。
マヤ先生が、珍しくニコニコとした顔で、僕の前に現れました。

マヤ「ねえ、ユウ先生…。ケーキ食べない?」

え。

マヤ「焼いてきたんだけど…」


こんなことが、現実で有り得るのでしょうか。

僕の胸は、喜びで溢れ返りました。

マヤ「お口に合うかなぁ…」

いえ。絶対に合います。

例えそのケーキが、焼け焦げて真っ黒であろうと、生で真っ白であろうと。

どんな色をしていても、食べ切る自信があります。




マヤ「はい、どうぞ」

ユウ「わあああい…」



その瞬間、僕の目に、信じられないものが飛び込んできました。

一見すると、イチゴのショートケーキ。

しかし、生クリームの色が、普通ではありませんでした。










↑生クリームの色














こんな色、食物としてアリですか?


するとマヤ先生は、微笑みながら言いました。

マヤ「紫は、高貴な色と言われていてね





誰も、ケーキに高貴さ求めてません。



マヤ「聖徳太子の制定した、冠位十二階でも…




だからって聖徳太子が、
紫のケーキ食べたんですか。




僕は、必死に頭を落ち着かせようとしました。



マヤ「どうぞ、遠慮しないで






『遠慮しないで』=
『深く考えるな』ということですね。


僕は考えました。

まさか、マヤ先生も人を殺すようなものを食べさせたりはしないだろう…。



僕は、覚悟を決めてから、かぶりつきました。







…味は、普通です。

それどころか、口当たりなめらかで、美味しいケーキでした。


ユウ「お、おいしいですよ!?」




すると、マヤ先生は笑顔で言いました。


マヤ「じゃ、私も安心して食べようかな










ちょっと待って下さい。


マヤ「実はそれね、デイケア(リハビリの一種)で、患者さんが焼いたの





パードン?



マヤ「患者さんがね、私にプレゼントだってくれたのよ。
でも、私はウソはついてないわよ? 私は、『焼いてきた』としか言ってないもの。
主語は『私』じゃなかったでしょ?」





誰か、僕を守護してください。




マヤ「でも本当にフシギよね…。
紫色の材料なんてなかったのに、ケーキは紫色になってるんだもの」

ユウ「……………」

マヤ「想像もつかないよね? 何を使ったか」









そういえば、紫の精神薬ってあったような気がしますよね。




マヤ「あーん、おいしー♪」



嬉しそうに頬張るマヤ先生を見て、僕は微笑みながらその言葉を飲み込んだのでした。








同じ穴に入って下さいね。







その夜。




少しだけ眠りが深すぎた
ような気がしましたが、それ以外は特に問題もなく過ごすことができました。




そして次の日。


マヤ「ねえ、今度はシュークリーム作ってきたんだけど





僕はその言葉に再び戦慄を覚えたのは、言うまでもありません。


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精神科医ユウの日記 <90%ノンフィクション・10%ユウの妄想>
モーニング女医。8/08
              ユウのセクシーな日常 応援する女医。
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本日、高校野球が始まりました。
僕はこの季節になると、どうしても思い出してしまうことがあります。

あれは、大学生最後の夏でした。

精神科の講師であるマヤ先生は、僕ら学生を相手に講義をしていました。

さすがにその時は、あの血液学実習の経験がありましたので、
その時のような甘いイメージは抱いてはおらず、
『ちょっとヘンな女医さんだな』と考えておりました。












今考えると、

まだまだ甘かったです。

                                『ちょっと』?



その時の科目は当然、精神科で、講義の内容は『うつ病』についてでした。

マヤ先生は、やはり話は分かりやすく、時折交えるユーモアも学生の興味を引いていました。

そんな時に、先生はこんな話をしたのです。


マヤ「…さて、今は一般的にも浸透している知識なのですが、
うつの患者さんを、励ますのは禁忌です」

僕は、一言一句聞き漏らすまいとノートを取っていました。

マヤ「例えば、うつの症状が強い人に、
がんばって、竹下さん! とか、
負けないで、竹下さん! とか、
やればできるよ、竹下さん! とか、
言っては、いけないんです








竹下って、誰ですか。





教室の誰もが、心の中でそう突っ込んでいたと思います。



マヤ「一般的には、かえって不安や焦りを生じさせてしまうからと言われています。
いいですかー!? これは国家試験にも出ますよ?
『うつ病は、励ますのは禁忌』-!
せーの、サン、はい?








繰り返せってかい。



律儀な学生たちが、小声で繰り返しました。

マヤ「はい、オーケー!」

するとマヤ先生は、こんなことを言ったのです。



マヤ「でもね、そう言われると、励ましたくなっちゃう人がいるかもしれません」












いませんよ。



教室中に、口に出せない突っ込みオーラが充満していました。



マヤ「想像力の強い人は、もっともっとイメージを広げてしまったりするかもしれません」




それは、先生の中だけです。





クラス中の心が、一つになっていました。



マヤ「例えば、高校野球の応援団全員ブラスバンド部チアガール500人を連れてきて」




…………………。


マヤ「ロッキーのテーマを演奏してチアガールが円陣組んで
大々的に、『この方の、栄誉と健闘を祈ってー!! サンサンナナビョーシ!!』




誰か、この人を止めてください。




マヤ「フレー、フレー、たーけーしーたー!!






だから、なぜ竹下なんですか。





マヤ「ってやっちゃダメですよ?



やりませんから。



マヤ「想像してもダメ




その言葉、そっくり返します。




教室全員がそう突っ込んだ瞬間にチャイムが鳴り、マヤ先生は帰っていきました。




クラス中が安堵のため息をついたのは、言うまでもありません。









今から考えると、あれは学生に少しでも医学知識を印象付けて、精神科を始めとする医学全般に興味を持ってもらいたかった、マヤ先生の意図の一つだったのかもしれません。

事実、今のマヤ先生は診察中は真剣そのものです。





マヤ「ユウ先生ー!! カゼひいたってホントー!?
焼いたレモンを顔中に張ると治る
って本当か、試していいー!?











だと思いたいです。


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精神科医ユウの日記 <90%ノンフィクション・10%ユウの妄想>
モーニング女医。8/15
               タイトルを考える女医。
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それは、つい昨日のことでした。

ユウ「マヤせんせー…」

僕が医局に入ろうとした時に、中から二人の話し声が聞こえました。


マヤ「で、今度はユウ先生に単行本を出させようと思うんだけど




なんですと。

僕は慌ててドアノブにかけた手を止めると、中の声に聞き耳を立てました。

リオ「まぁ…。確かにユウも色々と原稿を書いてるしなぁ」

マヤ「ええ。そうなの」

リオ「で、タイトルはどうするんだ?」

マヤ「それは、もちろん…」


どきどき。

僕の胸の鼓動が高まります。



マヤ「女医マヤの







ねえ、ユウは?


マヤ「スーパーセクシー心理学





先生、『ひねり』って知ってますか?

僕はそう叫びながら乱入したくなりましたが、その気持ちをぐっとこらえました。

すると、リオ先生の声が聞こえました。

リオ「……………。もうちょっと、ひねった方がいいだろう」

マヤ「…そう? 例えば?」

リオ「精神科医リオの








なぜあなたが出てくるんですか。


リオ「超セクシー心理学







先生、もっと『ひねり』って知ってますか。



マヤ「…………………最悪…」

リオ「…………………………そうか………」







いや、同レベルでした。

そう突っ込みたい気持ちを押さえ込みながら、僕は耐えていました。

すると気まずい沈黙の後に、マヤ先生は言いました。

マヤ「やっぱり今まで、セクシー心理学・エクスタシー心理学
と来たわけだから、次はそれ以上のステップがなきゃダメなんじゃないかなぁ?」

リオ「…っていうと?」

マヤ「女医マヤの、できちゃった心理学







それ、心理学っていうより産婦人科に急いだ方がいい気がします。



リオ「それは確かに捨てがたいが…。もっとソフトな方がよくないか?」

マヤ「例えば?」

リオ「女医マヤのピロートーク心理学

マヤ「ああ…。それって、なかなかイイじゃない?」


それは、僕も同感でした。
するとリオ先生は気をよくしたのか、さらに言葉を続けました。

リオ「だろだろ? 他にも、『シャワールーム心理学』に、『ティッシュペーパー心理学』に、『回転ベッド心理学』






悪趣味なラブホテルになってきちゃってるんですけど。


リオ「そして、『ご延長心理学』







そんな本出した日には、

それこそ実家に帰るのもご延長させられます。


マヤ「はぁ…。どれも捨てがたいわねぇ…







今すぐにでも捨てましょうか。


リオ「他にも、流行モノを使うってのも手だと思うな」

マヤ「『チーズ』みたいに?」

リオ「あそこまで行くと逆に陳腐。たくさん似たようなのがあったよな」

マヤ「じゃあ…。『金持ちセクシー貧乏セクシー』








ヤなセクシーたちですね。



ていうか、その貧乏セクシーって、どう考えても。


『貧乏人の子だくさん』になると思います。


マヤ「他にも、『AI心理学』




スピルバーグ監督、ごめんなさい。


マヤ「子供のロボットが、僕、セクシーになりたいんだって…」




廃品回収、決定ですね。


マヤ「あとは、『巨人・大鵬・心理学』とか。



いつの流行ですか。

するとリオ先生は、しばらく考えてから言いました。


リオ「『ミッキーマウス心理学』ってのはどうだ?」




それって、どう考えても、



訴訟になったら印税の百倍ぐらい持っていかれます。


マヤ「うーん…。もっと時代の最先端のネタにした方がいいんじゃない?」

リオ「例えば?」

マヤ「『テポドン心理学』







どう考えても、最後端です。


リオ「あえて題名に文字を使わない、ってのはどうかな?」

マヤ「何それ?」

リオ「顔文字とか



その言葉に、僕は想像をめぐらせました。



(^^ゞ心理学



(*^.^*)/~心理学



゜°。。ヘ(;^^)ノ心理学






何て読めと言うんでしょうか。




二人の話が、どんどん収束とは逆の方向に進んでいたので、僕は思い切って中に入ることにしました。



マヤ「あ、ユウ先生、いいトコロに!!」

リオ「なあ、『へのへのもへじの心理学』ってどうかな?」









それ、顔文字じゃなくて、文字顔です。



その後、場所を変えて、3時間近くも議論に付き合わされたユウ。


どなたか、本気でタイトル募集しております。

thanks for Dr.Rio....



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