バレンタインの連想ゲーム。

「 ? 」⇒「 ? 」⇒「 ? 」⇒「ユウくん」

あなたは、上に入る言葉が分かりますか?

実は僕は毎年、バレンタインになると、どうしても思い出してしまう、小学生時代の一つの「謎」があります。
今回は、その謎について、あなたと一緒に考えていこうかと思います。
 

あらためましてこんばんは。ゆうきゆうです。

 

今夜は、こんな話を聞いてください。

 

当時、僕は小学4年生でした。

そして僕のクラスで、「ユウ」くんは僕だけでした。

ユウといえば僕。僕以外はありえません。

これ、前フリです。

さてあるとき、バスで遠足に出かけました。

ご存じと思うんですが、そういうときのバスって、通路の左右に、それぞれ2人がけのイスがあります。

すなわち、横に4人が並ぶわけです。

さてここで、先生が「連想ゲームをしましょう」と言いました。

先生が、まず一番前の生徒4人にたいして、こっそり「お題」を言います。
するとそのお題から連想するものを、その生徒が、それぞれ真後ろに伝えていく…というわけです。

すると連想が次から次に続き、最後尾まで到達する…というわけです。

まぁ、競争というより、「最後に4列それぞれで何になったかなー? 最初のお題はコレでしたー!」みたいな、和気あいあいと楽しむ感じのゲームでした。

そのころから微妙な発想のする僕は、

「なんだ…。競争じゃないのか…。だったら、ちょっとヘンな連想語を後ろに伝えて、うちの列だけすっごいコトにしてやろう」

と、素敵な企みをしていました。
(例…「りんご」から「禁断の果実」とか)

自分でもアレな子供だったと思います。

そのように思っていたら、ですね。

そんなことが、どうでも良くなるくらいの事件が起こったのです。

そのとき、僕の隣には、友達の男の子が座っていました。

彼が、前に座っていた女の子から、何ごとかの「連想」を耳打ちされていました。
そしてそれを聞いて、ニヤッと笑って、後ろの子に何かを伝えていました。

何だろう…?

そう思っていると、その直後。

彼は言いました。

「今、前から『ユウくん』って回ってきたから、『ヘンタイ』って回しておいた!」

………。

え、どゆこと!?

なんか今の短い文の中に、2つ3つツッコミたいことがあるんだけど!

どこから手を付けていいのか分からないんだけど!

僕は激しくそう思いました。
あまりのことに、自分のところに来た言葉や、自分が後ろに伝えた言葉すら、現在記憶にないほどです。

ていうかまず、「ユウくん」⇒「ヘンタイ」ってどういうことですか、と。

僕と言えば、一発でヘンタイなのか、と。

いや、ここでみなさんに誤解しないでいただきたいんですが、小学生って、割と「ヘンタイ」って言葉、大好きです。

からかい半分、面白半分で、「ヘンタイ」とか呼びます。

ある意味、僕の時代では、「称号」でした。
なんか誇らしい感じの。

何より僕自身、その隣の彼をヘンタイと呼んでいました。

「おうヘンタイ!」
「なに、ヘンタイ?」

みたいな。
今考えると、ちょっと微妙な小学生たちだったと思います。

間違っても、彼が本気で僕をヘンタイだと考えていたとか、そういう状況ではなかったと思うのでご安心ください。たぶんそう思う。
僕も実際、小学生時代にバストとか言ってなかったですし。
そういうネタ出すの、ここ最近ですし。

悪化してるとかそういうのはスルーでお願いいたします。

………まぁ、それはいいんです。

少なくとも、隣の彼がそう連想したのは許しましょう。

もっと重要なことは、別にあります。

なぜ前の女の子は、「ユウくん」と回したか。

すなわち前の女の子は、何をもって「ユウくん」を連想したのか。

その女の子は、とてもかわいい子で、ひそかに憧れてる子でもありました。
ものすごく気になります。

そんな混乱を抱えているうちに、ゲームが終わりになりました。
連想が、バスの最後尾まで到達したのです。

僕の列の最後尾の単語は、正直あまり興味がなく、覚えてません。

そして隣の列は、「ヘンタイ」の続きからか、アホとかバカとか、それなりの言葉だったと思います。
僕からそこまで来たかー、とか思うと感慨深かったです。

それ以上に問題は、「最初の言葉」。

先生は、にこやかに笑って言いました。

「ちなみに最初の言葉は、『バレンタイン』でしたー♪」

僕は思いました。

手がかりは、そろった!

前の女の子の前に、二人の生徒がいました。

すなわち、

 「バレンタイン」(先生のお題)
⇒「 ? 」(最初の子の連想)
⇒「 ? 」(次の子の連想)
⇒「ユウくん」(彼女の連想)

なのです。

当時の僕は、もちろん思いました。

 「バレンタイン」
⇒「告白」
⇒「好きな人」
⇒「ユウくん」

だと。

そう!
すなわち僕は、その子に好かれてたんだ!

自分でも幸せな子供だったと思います。
おかげで今も、いい思い出です。

あぁ、あのころの僕はモテた、みたいな。

そして毎年、バレンタインになるたびに、そのことを思い出してしまうわけです。

しかし、果たしてあのときの推理は、当たっていたのだろうか、と。

年齢と共に、また違った推理が思い浮かびます。

たとえば一つ考えたのは、

 「バレンタイン」
⇒「2月」
⇒「2月生まれ」
⇒「ユウくん」

というもの。
自分は誕生月が2月なので、こういう答えもありえるかと思ったんですが。

この場合も、

僕の誕生月を知ってる + 誕生月から即思い出すのが僕

ということから、「僕のことが好き」という結論は変えなくてもいいかと思いました。

ただ、他の連想もあります。
そもそもバレンタインからの連想って、甘いモノが好きな小学生なら、「チョコレート」なんじゃないかと。

ただもちろん、チョコが嫌いな子だっていたはずです。

すなわち、

 「バレンタイン」
⇒「チョコレート」
⇒「嫌い」
⇒「ユウくん」

だったらどうしよう。

推理のしかたによって、まるで逆です。

もしくは………。

 「バレンタイン」
⇒「チョコまみれ」
⇒「ヘンタイ」
⇒「ユウくん」

とか。

まさかの「ヘンタイ」⇒「ユウくん」⇒「ヘンタイ」のサンドイッチ。

最悪すぎます。

言うまでもなく、結論はいまだに出てません。
謎が謎を呼びすぎてます。

もちろん、その女の子には、聞けませんでした。

「ていうかバレンタインになって、チョコもらえたかどうかで分かるのでは?」

という意見も、あるかと思います。

しかし僕は、バレンタインの前に引っ越してしまったので、彼女からチョコをもらうタイミングがありませんでした。

僕の推理が正しかったのかどうか、分かりませんでした。

おかげで今も、いい思い出です。
真実が分からないから。

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◆ 今回のまとめ。
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○ 謎は謎のままが幸せなのかもしれません。

というわけで、いかがでしたでしょうか。

ちなみに最終的に、こんな結論も抱きました。

 「バレンタイン」
⇒「好きな人」
⇒「ユウくん」
⇒「ユウくん」

実は前の子も好き、みたいな。
ユウくんからユウくんの連想も、間違ってるとは言い難いですし。

………。

こういうこと考えちゃう人間が好かれてたとは思えない、という気持ちを抑え込みつつ、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)